小寒

一年を24分割した「二十四節気」(にじゅうしせっき)という暦があります。12月21日から1月5日までの期間が、二十四節気のうえで22番目の節気「小寒(しょうかん)」にあたります。「小寒」はさらに細かく見ると、3つの時期に分類されます。これを「七十二候」(しちじゅうにこう)といいます。
1/5~9頃 「芹乃栄」(せりすなわちさかう)
「芹が生い茂る」ということです。寒さが厳しくなるこの時期ですが、冷たい水辺で育つ芹が力強く成長する様子が表現されています。
小寒の時期には、これからやってくる春への期待や生命力の象徴として捉えられます。セリはやっぱり鴨とやる鍋が最高ですね。
1/10~14頃 「水泉動」(しみずあたたかをふくむ)
まだ地表は寒さで凍っているものの、地中では少しずつ水が動き始める時期を指します。冬の寒さが厳しくなる中でも、春の気配がほんの少し感じられる兆しとして捉えられています。これは、自然界の微かな変化を敏感に感じ取る日本人ならではの感性が表れた表現です。目に見えない地下の水が動き出すことを春の前触れとし、寒さの中にも希望を見出すような季節感が感じられます。
農業においても「この頃から地中の水分が動き始める」と考えられ、春に向けての準備が始まる時期とされていました。まだ厳しい寒さが続くため、寒稽古や寒仕込みなど、寒さを活かした行事や作業が行われることが多いです。

1/15~19頃 「雉始雊」(きじはじめてなく)
「雉始雊」は、雄のキジが雌を求めて鳴き始める時期を示しています。「雊(こう)」は、雉の求愛の鳴き声を表す言葉です。キジは日本の国鳥であり、古くから日本人にとって馴染み深い鳥です。雉の姿は『古事記』や『万葉集』などの古典にも登場し、その美しい羽や警戒心の強さが象徴的に描かれています。この時期はまだ寒さが厳しいものの、雉の鳴き声が春の訪れをわずかに予感させます。自然界の動きが少しずつ活発になり始める兆しとして、雉の鳴き声は季節の移ろいを感じさせるシンボルとされていました。

小寒にやりたいこと
七草粥を食べる(1/7朝)
七草粥に使われる「春の七草」は以下の七種類です。
草名 | 読み方 | 意味・効能 |
---|---|---|
芹 | せり | 競り勝つ(勝負運) |
薺 | なずな | 撫でて汚れを除く(無病息災) |
御形 | ごぎょう | 仏の体(健康祈願) |
繁縷 | はこべら | 繁栄がはびこる(子孫繁栄) |
仏の座 | ほとけのざ | 仏の安座(安泰) |
菘 | すずな | 神を呼ぶ鈴(カブ) |
蘿蔔 | すずしろ | 汚れのない白(大根) |
「せりなずな、ごぎょうはこべら、ほとけのざ、すずなすずしろ、これぞ七草」という歌で覚えることができます。

七草粥の意味
五節句の一つ:「人日の節句」は、五節句(人日・上巳・端午・七夕・重陽)の一つとして、重要な節目とされています。
お正月で疲れた胃腸を休める:おせち料理などで豪華な食事が続いた後、消化の良い七草粥を食べて体をリセットします。
邪気払いと健康祈願:七草は寒さの中でも力強く芽吹く植物であり、「生命力」を象徴します。これを食べることで、無病息災を祈ります。
鏡開き(関東:1月11日 関西:1月15日または20日)
由来:鏡開きは、年神様(としがみさま)が宿るとされる鏡餅を食べることで、その力を分けてもらい、一年の健康と幸福を願う風習です。鏡餅は円形であり、「円満」や「調和」を象徴します。「鏡餅を食べることで年神様の力を体に取り込む」という考え方は、日本ならではの自然信仰や神道の影響を受けています。家族で鏡開きを行い、餅を食べながら一年の健康や運気を願う、心温まる行事です。また、「鏡」は古来から神聖なものとされており、鏡餅を「開く」ことで未来を切り開くという意味が込められています。
鏡開きの方法:鏡餅を「切る」のではなく、「木槌や手で割る」のが正式な作法。「切る」という言葉が「切腹」を連想させ、縁起が悪いためです。「開く」は吉事を意味するため、「鏡開き」という表現が使われます。
鏡餅の食べ方
おしるこ(ぜんざい):甘く煮た小豆と一緒にいただきます。
雑煮:地方によって具材や味付けが異なりますが、出汁で煮込むシンプルな食べ方です。
揚げ餅:割った餅を油で揚げ、カリッと香ばしく仕上げます。