手帳ヒストリーと手書きの魅力

手書きはいい!手書き最高!
今年手書きアウトプットに目覚めたのですが、じつは初めて目覚めたわけではなく「再覚醒」なのです。手帳好きの方々にはきっと「わかる!」とうなずいていただける内容だと思います。私の手帳ヒストリーをつらつらとお話しいたします。
子供のころから文房具が大好きで、小学生のときは、謎にGペンやカブラペン、丸ペンなどを所持していました。(漫画家になりたかったのかな?)高校生のときから手帳を持ち、マンスリーページに「友達と遊ぶ」とか漫画の発売日など、予定ともいえぬ予定を書き込んでいました。
社会人になってからは管理職になるまでは文房具系の熱は冷めていましたが、2006年にMoleskinのノートを手に入れて、一気にステーショナリー熱が爆上がりしました。

LAMYの万年筆とのコンボで目標設定、タスク管理、仕事のアイディア出し、旅行プラン、プライベートメモまですべてをこのMoleskin一冊でやりました。使い終わってから17年が経ち、今はゴムバンドがびろんびろんですが、カバーや製本はいまだに健在。いやしかし、しみじみカッコいいなぁ… このMoleskin 方眼ノートで私の手帳道が本格的にスタートしました。

使用当時のメモ。七つの習慣とか、意識高かったなぁ…。この記事のために引っ張り出してパラパラめくっていたら、当時の自分が書いた豆知識が思いのほか興味深く、10分ぐらい読み込んでしまいました。持っているだけで、持ち主自身をも最高にクールにしてくれるMoleskinを卒業した理由はいまでも覚えています。それは、万年筆で書くとインクが「裏抜け」してまったからです。

裏抜けとは、紙の裏側にインクが浸みてしまい、表側の文字が透けて見える現象です。ぶっちゃけ、気にしなければ使用にはさして問題はありません。ありません…が、気になるのです!!気になって仕方がない!!たぶん万年筆ユーザーは特に!!Moleskinの意匠は最高すぎたのですが、泣く泣く別のノートへと旅立ちました。
Moleskinの次はフランクリンプランナー手帳(以下FP)バイブルサイズを所持しました。手帳を人生の目標達成のツールと位置付けるFPは、意識高い系の当時の私にとって最高のアイテムでした。もう、手に入れただけで勝ち組になった気がしたのを、昨日のことのように思い出します。しかしながら、一年で卒業しました。なぜか?
ゴツくて重たかったからです。夢と目標とマンスリープランとウィークリープランとデイリーアクションを詰め込んだこの手帳は分厚く、レンガのように重たくなりました。もはや武器としても使えそうでした。そのむかし、ファイナルファンタジー3というRPGゲームのキャラクター設定に「学者」というジョブ(職業)がありました。そのジョブの戦い方は、本に書かれた情報を駆使してロジカルに戦うとかではなく、分厚い本で直接敵をぶん殴るという、フィジカルで、プリミティブで、フェテッシュな戦闘スタイルでした。子供ながらにドン引きしたのを覚えています。
話が逸れました。とにかくもう、出張に持っていくのがしんどくてしんどくて…でもたしかに、夢とか目標は軽いものではないよね!自分にはマッチしませんでしたが、とてもいい手帳でした。

この記事を書くにあたり、FP関連をネットで調べていたところ、革のシステム手帳のA5サイズ(バイブルサイズよりデカい)を使い倒す猛者がいらっしゃいました。最初ネタなのかと思いました。
『手帳の強化書』
https://www.youtube.com/watch?v=g_oz9eOWw2g&t=274s
デジタルデバイス全盛の今、A5サイズの革手帳をカフェとかでバーン!と開いていたら、シンプルにカッコいいです。A5サイズの革手帳ちょっと欲しくなりました。このチャンネル運営者の高田さんが、動画内でときどき手帳の革の匂いを嗅ぐんですけど、すげーわかる!!
閑話休題。FP挫折後は、SONYの「CLIE」という電子手帳も併用しながら、リングタイプやらノートタイプやらと手帳の迷宮を彷徨い、「ほぼ日手帳」にたどり着きました。

専用カバーはシステム手帳っぽいフォルムながら、実際はノートタイプ。意識超絶高い系のFPとは異なり、ゆるーく日常を綴ることに向いています。(仕事でもバリバリ使えます。)写真は2009年のコードバンカバーです。久々に触ったら、質感が素敵すぎて暫しの間スリスリしてしまいました。
手帳本体にはトモエリバーという薄いけど裏抜けしない紙が採用されており、万年筆使いの私にもマッチしました。ここから数年、ほぼ日手帳を愛用しました。なんでもない日おめでとう。
2010年代になり、スマートフォンが普及すると、関連アプリケーションが目覚ましく進化しました。電話で電子手帳レベルのスケジュール管理ができて、eメールが使えて、ネットにつながるという、いまでは当たり前すぎて自分で書いてて違和感を感じますが、当時は感動ものでした。(ガラケーでも同じことができなくはなかったが、機能が限定的だった。)これにより電子手帳のCLIEが不要になりました。スマホ一台ですべてが完結するシンプルさにバリューを感じ、特にGoogleカレンダーでスケジュール管理を一元化しだしたあたりから紙手帳も次第に使わなくなっていきました。2021年以降は紙の手帳を購入すらしなくなります。
旅行のときに必ず携帯するトラベラーズノートだけはアナログデバイスとして残りました。これは別記事でお話ししたいと思います。
そして2024年、先のBlog記事にも書いた通り、謎にして空前の手書きブームが全俺に再来したのです。ぶっちゃけ理由はよくわかりません。現在は仕事関連や短期のタスク管理はシェア検索に優れたデジタルデバイス、長期的なライフプランや日記は紙に手書きという使い分けに落ち着いています。

アナログレコードや紙の本がなくならないのと同様に、いかにデジタルデバイスが進化しようとも、「紙に手書きする」という行為もまた、なくなることはないと思います。単に記録するとは別次元の意義があるからです。そして、紙に出力したものは紙のまま保管すべきだなとも思います。昔、過去の手帳たちをPDF化して破棄しようと計画したことがありますが、やらなくて本当に良かった。紙だと当時の熱というか、体温が残っているのです。
残りの人生、あと何年あるのかはわかりませんが、自分の幸せのために、ゆっくりと丁寧に一日を生活して、その空気感をできるだけ書き記していこうと思います。