呼吸が導く心の静寂
忙しい毎日、心も体も疲れがちになりがち。少しの時間を見つけて腹式呼吸を試してみませんか?体に酸素を効率的に供給し、ストレスを減らし、心を落ち着かせてくれます。今回の記事は、瞑想とならんで、対ストレス戦の強力な武器となる呼吸についてです。
いつもの呼吸との違い
腹式呼吸はなにが違うのでしょうか。人間の呼吸は、無意識でいると胸式呼吸になることが一般的です。この胸式呼吸とは、胸部の筋肉を使って行う呼吸で、肺の上部に主に空気が入ります。速やかに呼吸できますが、浅く速い呼吸になりがちです。緊張したり、ストレスがかかると自然とこの呼吸になりやすいです。
これに対して、腹式呼吸は吸息時に横隔膜が下がり、お腹が前に突き出るように膨らみます。これにより肺の下部がしっかりと拡がり、より多くの空気が肺に入ります。呼息時には横隔膜が上がり、お腹がへこむことで空気が押し出され、深い呼吸ができます。
腹式呼吸がリラックスできるわけ
腹式呼吸は深くゆったりとした呼吸をするため、副交感神経を刺激して体をリラックスさせる効果があります。この呼吸法により、心拍数が落ち着き、筋肉の緊張がほぐれ、精神的な安定感が得られます。また、深い呼吸は酸素の取り込み量が増え、酸素供給量が増えることで全身がリフレッシュされ、心身のリラクゼーションに繋がります。
腹式呼吸のやり方
①リラックスする: 静かな場所を選び、快適な座り姿勢か横になる姿勢を取ります。
②息を吸う: 鼻からゆっくりと空気を吸い込みます。胸を使うのではなく、お腹がゆっくりと前に突き出るように膨らませます。肺いっぱいに吸い込んで、肺の隅々まで空気を行き渡らせるイメージ。
なぜ鼻から吸うのか
吸い込む空気をフィルタリングし清潔な空気を体内に入れることができます。口呼吸に比べてゆっくりとした呼吸になりやすいため、脳と体にリラックス信号を送ることになります。これによって副交感神経系が活性化されます。
③息を吐く: 口からゆっくりと空気を吐き出します。吐き出す際には、お腹をゆっくりと引っ込めながら空気を押し出します。限界まで吐き切り、古い空気を肺から絞り出すイメージ。
なぜ口から吐くのか
鼻から吐く場合よりも気道抵抗が少なく、呼吸に必要な力が少なくて済むため、全体的に体への負担が軽減されます。鼻よりも多くの空気を素早く出せるのですが、ゆっくりコントロールします。ゆっくりと大量の空気を吐き出すことで、肺の中の効率的なガス交換とリラクゼーションを両立できます。
やりすぎ注意
いいことづくめの腹式呼吸ですが、いきなり長時間やるとそれはそれでよくありません。特に横隔膜が過度に疲労して痛みがでたり、体内の二酸化炭素レベルが異常に低下してしまうと、めまいや不快感を引き起こすことがあります。(低換気症候群)二酸化炭素って人間にとって要らないのかというと、そうでもない。というか結構重要な役割を果たしているんですね。
日常生活に簡単に取り入れられる腹式呼吸。継続することが難しくて大切です。続けていくうちに、自然と深い呼吸ができるようになり、ストレス解消や集中力向上にも役立ちます。瞑想とセットで腹式呼吸を生活の中に取り入れてみてください。